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Hokkaido University
Center for Human Nature,
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CHAIN ACADEMIC SEMINAR #43

第43回CHAIN Seminar 藤野正寛「無常・無我・苦の体験的理解から生まれる直観」

日時 2024年7月25日(木) 16:30-18:00
場所 北海道大学人文・社会科学総合教育研究棟(W棟)W201室
言語 日本語
主催 人間知・脳・AI研究教育センター
開催方法 対面およびオンライン(オンラインのみ要登録)

第43回のCHAIN Seminarは、NTT コミュニケーション科学基礎研究所 リサーチスペシャリストの藤野 正寛さんに「無常・無我・苦の体験的理解から生まれる直観」について講演していただきます。

藤野さんは、脳イメージングを用いた科学的アプローチで瞑想における意識状態の理解を目指す研究者であると同時に、瞑想の実践者として国内外で活躍されています。講演では、科学的な研究に加えて、その実践を通じて得られた「瞑想」の意識体験について鋭い洞察をお聞かせいただきます。

講演はオンサイトとオンラインのハイブリッドで行います。

オンライン参加の方へ: Zoomの登録は以下のURLからお願いします: zoom登録ページ

Seminar1

Lecturer

藤野 正寛
Masahiro Fujino

無常・無我・苦の体験的理解から生まれる直観

Abstract:

仏教では、自分の身体や心の中に生じる様々な感覚や感情が思い通りにコントロールできないということや、それらの経験はやがて消えていくということを体験的に理解することで、新たに生じる経験に対して反応することなくありのままに気づけるようになると考えられています。2500年前のインドで、瞑想によって自分の身体や心を観察する能力を極限まで高めた実践者が、その智慧を発見したと言われています。そして2500年にわたり世界中で、その智慧が語り継がれてきました。現在、自分自身で瞑想を実践しながらその智慧を体験的に理解するとともに、その体験から生じてきた仮説をもとに瞑想のメカニズムの解明に取り組む研究者が増えています。本講演では、そのような実践者兼研究者の一人である演者が、ありのままの気づきとは何か、ありのままの気づきを実現するための瞑想とは何か、瞑想実践が私たちの心にどのような影響を与えるのかという問いについて、これまでの実践と研究の過程を概説します。

講師紹介

神戸大学経営学部卒業後に、医療機器メーカーに7年間勤務し、経営企画管理業務に従事。海外駐在員時代に、10日間のヴィパッサナー瞑想リトリートに参加し、瞑想が身心を健康にすることを体験的に理解し、「働いている場合ではない」と退社。京都大学教育学部に編入学し、学士・修士・博士・助教を経て、現在に至る。 現在は、瞑想の実践者かつ研究者として、瞑想実践を通じてでてきた問いをもとに、認知心理学的手法やMRIなどの実験装置を用いて、瞑想の生理・心理・神経メカニズムの解明を進めている。また、人々のウェルビーイングを高めるために、瞑想を医療分野や教育分野に導入する活動に取り組んでいる。

【学歴・職歴】
1998年 4月−2004年3月 神戸大学経営学部
2004年 4月−2011年5月 シスメックス株式会社
2012年 4月−2014年3月 京都大学教育学部
2014年 4月−2016年3月 京都大学大学院教育学研究科 修士課程
2016年 4月−2019年3月 京都大学大学院教育学研究科 博士課程 & 日本学術振興会特別研究員(DC1)
2019年 4月−2020年3月 京都大学大学院教育学研究科 助教
2019年 4月−2021年9月 京都大学オープンイノベーション機構 特定助教
2021年10月−現在    NTT コミュニケーション科学基礎研究所 リサーチスペシャリスト