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Hokkaido University
Center for Human Nature,
Artificial Intelligence,
and Neuroscience

CHAIN ACADEMIC SEMINAR #19

The Significance of Phenomenology Today「今日における現象学の意義」

日時 2022年1月17日(月)18:00-19:30
場所 オンライン(要登録)
言語 英語

今回のCHAINセミナーは、科学研究費補助金・基盤研究(A)「意識変容の現象学──哲学・数学・神経科学・ロボティクスによる学際的アプローチ」(代表者・田口茂)の企画により、精神科医であり哲学者でもあるハイデルベルク大学のトーマス・フックス(Thomas Fuchs)教授をお招きして行います。フックス教授は、身体性を重視した現象学的な精神医学、とりわけエナクティヴな方向性での精神医学や現象学のご研究で著名です。今回は、現代における現象学の意義を経験科学との対話、精神医学との関連からご講演頂きます。ぜひご参加ください。(下のボタンから事前にご登録ください。)

 

主催:科学研究費補助金・基盤研究(A)「意識変容の現象学──哲学・数学・神経科学・ロボティクスによる学際的アプローチ」(代表者・田口茂・北海道大学教授)リンク

共催:人間知・脳・AI研究教育センター(CHAIN)

Seminar1

Lecturer

トーマス・フックス
Thomas Fuchs

The Significance of Phenomenology Today「今日における現象学の意義」

Abstract:

要旨

現象学とは、主観的な経験、そして志向性、時間性、身体性、間主観性といったその根本構造の体系的な科学であると理解できます。しかし、現象学には、この主観的な経験を、自然主義や物理主義の側からの還元的な主張に対して擁護するという課題もあります。とはいえ、現象学は、単なる意識の科学をはるかに超えるものです。そのような意識の科学を、単に自然主義に対する難攻不落だが不毛な要塞として守り抜こうとするようなものではないのです。むしろ反対に、現象学は、身体化され拡張された主体性の科学として、経験科学の諸分野に手を伸ばし、それらと生産的な対話に入っていくことができます。このことは、3つの研究分野で実証されています。(1)認知科学における身体化されたエナクティヴな心のパラダイムに対する現象学の決定的な役割、(2)間身体性としての主要な社会的知覚の現象学的な概念、(3)(とりわけ統合失調症の理論における)身体化の現象学的精神病理学、です。

Summary

Phenomenology can be understood as the systematic science of subjective experience and its fundamental structures, such as intentionality, temporality, corporeality or intersubjectivity. But it also has the task of defending this subjective experience against reductive claims on the part of naturalism or physicalism. Nevertheless, phenomenology is far more than a science of consciousness, which it defends only as an indomitable, but sterile citadel against naturalism. On the contrary, as a science of embodied and extended subjectivity it is rather able to reach out to the fields of empirical sciences and to enter into a productive dialogue with them. This is demonstrated by three research areas: (1) the decisive role of phenomenology for the paradigm of embodied and enactive mind in cognitive science; (2) the phenomenological conception of primary social perception as intercorporeality; and (3) the phenomenological psychopathology of embodiment, especially in the theory of schizophrenia.

講師紹介

精神科医、哲学者。ハイデルベルク大学の一般精神医学講座、カール・ヤスパース哲学・精神医学教授(Karl Jaspers Professor for Philosophy and Psychiatry)。現象学、精神病理学、認知科学の交差する領域で研究を展開する。とりわけ身体性とエナクティヴ・アプローチに重点を置き、時間性や間主観性などのテーマを扱っている。