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2022.2.25 Release
野口渉・情報科学研究院博士研究員(元CHAIN博士研究員)、飯塚博幸・情報科学研究院准教授(CHAINコアメンバー)、山本雅人・情報科学研究院教授(CHAIN兼務教員)、田口茂・文学研究院教授(CHAINセンター長)による共著論文がScientific Reports 誌に掲載されました。
Noguchi, W., Iizuka, H., Yamamoto, M., Taguchi, S. (2022). Superposition mechanism as a neural basis for understanding others. Scientific Reports 12, 2859. https://doi.org/10.1038/s41598-022-06717-3
田口が以前から提起していた社会認知における「自他の重ね合わせ」を、野口、飯塚が中心となってAIエージェントに実装した研究です。このエージェントは、与えられた感覚情報を予測学習するだけで他の主体からの見え方が予測できるようになりました。これにより、主体は最初から自己と他者の枠をもっているわけではなく、学習の結果、自他のコンセプトがはじめて分かれてくると論じています。このことがごく単純な仕組み(重ね合わせメカニズム)によって十分可能であることを示しました。自他認識の発達に関する研究に一石を投じるものです。