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Hokkaido University
Center for Human Nature,
Artificial Intelligence,
and Neuroscience

CHAIN ACADEMIC SEMINAR #35

第35回CHAIN Seminar 森岡正博「「そこに誰かがいる」とはどのような現象なのか?―Animated persona の現象学」

日時 2023年10月19日(木)14:00-15:30
場所 北海道大学 人文・社会科学総合教育研究棟 W409
言語 日本語
主催 人間知・脳・AI研究教育センター
開催方法 ハイブリッド(オンラインのみ要登録)

『無痛文明論』『生まれてこないほうが良かったのか? 生命の哲学へ』等、数々の著作で著名な哲学者、森岡正博先生にCHAINセミナーでご講演頂きます。今回は、「そこに誰かがいる」という現象について、Animated Personaという概念を基軸にして、新たな角度から論じて頂けるとのことです。CHAINで取り組んでいる「人工主体」をめぐる諸問題とも深く交差するご講演となるように思われます。ぜひご参加頂ければ幸いです。

 

ハイブリッド方式で開催

対面は登録不要

オンラインのみ要登録

https://zoom.us/meeting/register/tJcudO-orj4qG9BBjRXAG9J0ElsOrAa2W_5X

 

(2024/3/4更新) 本セミナーの録画を掲載しました。

 

Seminar1

Lecturer

森岡正博
Masahiro Morioka

「そこに誰かがいる」とはどのような現象なのか?―Animated persona の現象学

Abstract:

家族が亡くなって時間がたったある日、その亡くなった人がふと目の前にいると感じられるという体験は、世界中で数多く報告されている。近年の現象学は、このような体験を、一種の幻肢体験として解釈してきた。私は「アニメイテド・ペルソナ」という概念を用いて、これとはまったく異なった角度から解明を試みている。実はこの現象は、死者の現われだけではなく、マネキンや人形やロボットに「誰か」の現われを感じる場合にまで拡張することができる。そこに現われるものの本質は「私はここにいる」という音波のない声である。これは、現象学の他我問題に新たな光を投げかけるものでもある。本年にHuman Studiesに掲載された拙論 “The Sense of Someone Appearing There”をもとに、最新の展開をお話しし、「ロボットは意識を持つか」という問いとの接続についても考察したい。

講師紹介

生命倫理学をはじめ、哲学の多様な分野で多面的に活躍されてきた哲学者の森岡正博氏に、CHAINセミナーでお話しいただきます。森岡氏は『脳死の人』(東京書籍 1989)『無痛文明論』(トランスビュー 2003)『感じない男』(ちくま新書 2005)など数多くの著書で知られ、近年は反出生主義について論じた『生まれてこないほうが良かったのか? 生命の哲学へ』(筑摩書房 2020)が多方面で話題となりました。近年国際的に盛んに論じられつつある「人生の意味の哲学」に関しても立役者の一人です。今回は、最近発表された英語論文 Morioka, M. The Sense of Someone Appearing There: A Philosophical Investigation into Other Minds, Deceased People, and Animated Persona. Hum Stud (2023) に関連する内容をご講演頂きます。