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Hokkaido University
Center for Human Nature,
Artificial Intelligence,
and Neuroscience

2023 CHAIN Summer School

2023年度 CHAINサマースクール:「言語と認知」

日 時 2023年8月21日-8月25日
場 所 北海道大学 人文・社会科学総合教育研究棟 W309およびW308
言 語 日本語
対 象 北海道大学でCHAINを履修している大学院生

CHAINでは「意識・自己・社会性・合理性」といったテーマに対して哲学・神経科学・AI研究の融合した学際的教育プログラムを北大の大学院生に向けて提供しています。その中で夏と冬に開催されるサマースクール・ウインタースクールでは外部講師をお招きし、受講生に最先端の知見に触れ、学際的議論を行う場を提供しています。

 

2023年度のサマースクールはテーマを「言語と認知」と題して、以下の先生方をお呼びして、講義・議論を行います。(敬称略)

  • 特別講演: 笹原和俊 (東京工業大学 環境・社会理工学院 イノベーション科学系 准教授)
  • 講義1,3: 佐治 伸郎 (早稲田大学 人間科学学術院 人間科学部 准教授)
  • 講義2,4: 宇野 良子 (東京農工大学 工学研究院言語文化科学部門 教授)

Seminar1

Lecturer

笹原和俊
Kazutoshi Sasahara

特別講演: フェイクニュースの生態系:認知とテクノロジーの相互作用

Abstract:

講師紹介

笹原和俊。2005年東京大学大学院総合文化研究科修了。博士(学術)。現在、東京工業大学環境・社会理工学院准教授。国立情報学研究所客員准教授。専門は計算社会科学。主著に『フェイクニュースを科学する』(化学同人)、『ディープフェイクの衝撃』(PHP研究所)がある。

Seminar2

Lecturer

佐治 伸郎
Noburo Saji

講義1:記号接地問題を再考する、講義3:言語と思考問題を再考する

Abstract:

本講義は第一部「記号接地問題を再考する」,第二部「言語と思考問題を再考する」から構成される.
第一部では,認知科学における根本問題の一つである記号接地問題の現代的意味について考える.記号接地問題は,心の働きを記号論理的表現を用いて捉えようとする記号主義的アプローチに対する問題として注目された.その後身体論,状況論に基づく新しい認知科学の潮流が生まれたが,その一方で従来の記号主義のモデルの示す情報の一部は環境における情報分布のボトムアップな統計学習として表現可能であることも明らかになってきた.両者の統合としての心のはたらきがどのようにあるかという問題は,現代の認知科学が問うべき記号接地問題の新しい形と言えるだろう.第二部では言語と思考の問題,言語の意味の習得問題について考える.人間は言語を習得することを通し,現在を生きる主体が感覚運動的に世界をどう捉えるかという視点と,それまでその集団に生きた他者が世界をどう眺めてきたかという視点とを統合する.これは正に,第一部で述べる現代的な記号接地問題のケース・スタディと言える.この問題を議論することを通じ,身体と文化,現在と過去の接点として人間の心を理解する視座を獲得することを目指す.

講師紹介

佐治伸郎(さじのぶろう)
2010年慶應義塾大学政策・メディア研究科単位取得退学、2011年博士(学術)。現在、早稲田大学准教授。子どもの言語習得過程、特に語意体系の習得における言語間比較の研究に従事。著書に『信号、記号、そして言語へ: コミュニケーションが紡ぐ意味の体系』(共立出版、2020年)、『言語と身体性』(共編、岩波書店)など。

Seminar3

Lecturer

宇野 良子
Ryoko Uno

講義2:意味の弾性を考える:認知言語学入門、講義4:発話者はどう描かれるか:日英語対照研究

Abstract:

講師紹介

宇野良子(うの・りょうこ)
認知言語学者。2006年東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了、博士(学術)。現在、東京農工大学教授。「わたし」が発した言葉は、「わたし」の一部なのか、ということに興味を持ち、言葉と心の働きの関係を研究している。特に、自然言語や、人工言語で新しい語が生まれるしくみを分析してきた。近年は、アートやファッションデザインのような言語以外の人間の創造活動に、言語学の分析を応用することも試みている。著書に『オノマトペ研究の射程―近づく音と意味』(共編、ひつじ書房、2013年)、『実験認知言語学の深化』(共編、ひつじ書房、近刊)など。