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Hokkaido University
Center for Human Nature,
Artificial Intelligence,
and Neuroscience

CHAIN ACADEMIC SEMINAR #33 Kazeto Shimonishi

第33回 CHAINセミナー 下西風澄「エナクティブな意識の歴史性」

日時 2023年7月3日(月)14:45-16:15
場所 【ハイブリッド】北海道大学百年記念館大会議室(登録不要)およびZoomによるオンライン配信(要登録)
言語 日本語

第33回CHAINセミナーは、2022年12月に話題の著作『生成と消滅の精神史:終わらない心を生きる』を刊行した独立研究者の下西風澄氏に講演を行っていただきます。

主催:北海道大学 人間知・脳・AI研究教育センター(CHAIN)

共催: 科研費基盤研究(C)「エナクティヴィズムの認識論と存在論の展開:情緒性・自律性・意識」(JP23K00001)

 

Seminar1

Lecturer

下西 風澄
Kazeto Shimonishi

エナクティブな意識の歴史性

Abstract:

フランシスコ・ヴァレラの提唱した「エナクティブ認知」は近年の認知科学・哲学において重要な立場の一つとして議論されている。その思想は、直接的には身体性認知科学やフッサール、メルロ=ポンティらの現象学に影響を受けながら形成されたものであるが、西洋哲学史の長い意識論の歴史においてはどのように位置づけられるのだろうか。本講演では、拙著『生成と消滅の精神史 終わらない心を生きる』(文藝春秋、2022)をベースに、古代ギリシア哲学から現代のエナクティブ思想までの大きな流れを把握し、意識の問題を考えることにおける歴史性を議論したい。

講師紹介

1986年生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得退学後、哲学を中心に講演・執筆活動を行う。生きていることの意味は、生命や意識にいかに生じるのか。哲学という伝統的な思索によって、しかしまた近年の認知科学の成果や、歴史・文学などを含めた横断的な視点から考えている。「フッサールの表象概念の多様性と機能」(『現象学年報第33号』)、「色彩のゲーテ」(『ちくま』筑摩書房)、「詩編:風さえ私をよけるのに」(YYY PRESS)、『10才のころ、ぼくは考えた。』(福音館書店)、『生成と消滅の精神史:終わらない心を生きる』など、学術論文から文芸書や絵本まで幅広いジャンルで出版している。