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Hokkaido University
Center for Human Nature,
Artificial Intelligence,
and Neuroscience

CHAIN ACADEMIC SEMINAR #31 Hideyuki Ando

第31回 CHAINセミナー 安藤英由樹「心の状態に働きかけるVR技術」

日時 2023年3月16日(木)16:30-18:00
場所 【ハイブリッド】北海道大学文系共同講義棟6番教室(登録不要)およびZoomによるオンライン配信(要登録)
言語 日本語

第31回目のCHAINセミナーは、 大阪芸術大学の教授である安藤英由樹氏の講演です。

安藤氏には、世界の第一線で活躍するVR研究者です。人の感覚や運動を拡張するための錯覚を利用したデバイス開発や、人の感情や情動を揺さぶるインタフェースの開発にも従事されています。代表的なものに、頭部に微弱な電流を流すことによる姿勢誘導、嗅覚、味覚誘発や、心音を伝播することにより情動誘導があります。わかりやすく面白い講演ですので是非ご参加ください。

主催:北海道大学 人間知・脳・AI研究教育センター(CHAIN)

 

Seminar1

Lecturer

安藤 英由樹
Hideyuki Ando

心の状態に働きかけるVR技術

Abstract:

Virtual Reality:VRは、人工的に作り出された環境に身を置くことができる技術である。その本質は無意識的な情報処理のメカニズムを解明し活用するところにある。例えば、本来はそこには存在しない対象について、脳内であたかも存在しているように感じさせることができる。そのための手法として錯覚メカニズムが多用されている。例えば、神経系に弱い電流を通電するだけで様々な感覚をVirtualに生起させることができる。本講演の前半ではその手法等について解説する。さらにこの技術はメタバース空間のなかでVirtualなコミュニケーションを深めるためにも活用されている。とくにメタバース空間では現実の自分とは異なるアバターを用いることによって、現実の世界ではできないことができるようになるということもある。後半ではこのようなVirtual空間における能力の変容について解説する。さらにこれらを踏まえ、これらの技術の可能性と今考えなければいけないことについて論じる。

講師紹介

1974年岐阜県可児市生まれ。1999年愛知工業大学電気電子工学専攻修士号取得、博士課程中退。2001年より東京大学にて、JST「協調と制御」領域研究員、 2004年に東京大学で論文博士として博士(情報理工学)授与、2004年 NTTコミュニケーション科学基礎研究所研究員、2008年大阪大学大学院情報科学研究科准教授、2020年大阪芸術大学アートサイエンス学科教授。ヒトの感覚-知覚-運動の原理をもとにVR、AR、XRの分野を中心に錯覚利用インタフェース、医師と共同して手術追体験トレーニングシステム、Wellbeingを実現する情報技術と社会デザインなどの研究に従事。基礎研究に加え、芸術表現としての先端的科学技術の社会貢献にも関心を寄せ、自らも作品制作を行なう。第12回文化庁メディア芸術祭優秀賞、ARS ELECTRONICA PRIX(→PRIX ARS ELECTRONICA?) Honorary Mention受賞(2009, 2011) 等。