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Hokkaido University
Center for Human Nature,
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CHAIN ACADEMIC SEMINAR #28

第28回 CHAINセミナー 「原生生物のジオラマ行動力学 ~野外環境での行動を探る~」(Ethological dynamics of protist (protozoa) in diorama environments ~researches into behavioral smartness in wild environment~)

日時 2022年12月2日(金)16:30-18:00
場所 【ハイブリッド】北海道⼤学中央キャンパス総合研究棟2号館5F講義室(登録不要)およびZoomによるオンライン配信(要登録)
言語 日本語

今回のCHAINセミナーは、 真性粘菌の⾏動学の研究で著名な中垣教授に、最近の研究成果である「原⽣⽣物のジオラマ⾏動⼒学」についてお話しいただきます。

主催:北海道大学 人間知・脳・AI研究教育センター(CHAIN)

共催:社会創造数学セミナー (HMMCSeminar)

Seminar1

Lecturer

中垣俊之
Agnieszka Wykowska

Ethological dynamics of protist (protozoa) in diorama environments ~researches into behavioral smartness in wild environment~

Abstract:

原生生物(真核性の単細胞生物)が生息する野外環境は、一般に多様でありかつ変動著しい。彼らは、このような環境にある程度うまく反応する能力を秘めていると思われる。とはいえ、どれほどの環境にどのように反応できるかは、判然としない。そこで、彼らの秘めたる能力を引き出すために、野外環境を参考にしながら適度な複雑さを積極的にとり入れた実験環境を設計することにした。このような実験環境をジオラマ環境と呼ぶこにしよう。原生生物の遊泳運動やほふく運動は、しばしば力学モデル化され、物理的な理解も進められている。原生生物は、様々な環境要因に反応して短期的かつ局部的な応答をすることが知られており、そのような反応を力学モデルに導入することで、巧みな運動能力が再現されたりしている。
 近年私たちは、ジオラマ環境により潜在的な適応能力を見出し、その仕組みを力学モデルで読み解く研究に取り組んでいる。原生生物の一種である真正粘菌変形体などを例に、ジオラマ行動力学の試みについて紹介したい。
 具体的には、粘菌の迷路解き、関東地方の鉄道網設計、周期イベントに対する予測、同一条件で見られる行動の多様性など。繊毛虫の、遊泳空間形状の記憶、行き止まり狭隘空間でみられる脱出試行など。ちなみに、粘菌はアメーバ運動により地面を這い回る原生生物であり、繊毛虫とは数千本の繊毛を波打たせて水中を遊泳する原生生物である。

講師紹介

北海道大学 電子科学研究所 社会創造数学センター 知能数理研究分野

研究テーマ:
アメーバからヒトにいたる生命知の基本アルゴリズムの探求
ヒトにやさしい機械インターフェースの設計指針の探索
単細胞生物の行動と情報処理過程の可視化技術の開発
生物行動の多様性と柔軟性を担うダイナミクスの解明
生体システムの用不用適応則から読み解く形状と機能の最適化
バイオレオロジーによる生体運動の力学機構の解明