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CHAIN ACADEMIC SEMINAR #25 (特別編)
科研費基盤A「意識変容の現象学」成果報告会
科研費基盤研究A「意識変容の現象学──哲学・数学・神経科学・ロボティクスによる学際的アプローチ」では、田口茂(北大CHAINセンター長)を代表とした研究グループで、2020年度から学際的な活動を行ってきました。最終年度である3年目の2022年夏にこのグループで行ってきた研究の総まとめとして、成果報告会を行います。なお、本成果報告会はCHAINの共催の元、「CHAIN ACADEMIC SEMINAR #25 特別編」として開催します。
[タイムテーブル]: (敬称略)
(講演はそれぞれ質問込みで45分。発表が30分で議論が15分を想定。)
[開催様式]: 本イベントはハイブリッド形式で行います。
[講演会場]: 北海道大学 人文・社会科学総合教育研究棟(W棟)2階 講義室W309です。
[オンライン講演]: Zoomで行います。
主催:科研費 基盤研究(A)「意識変容の現象学──哲学・数学・神経科学・ロボティクスによる学際的アプローチ」
共催:北海道大学 人間知・脳・AI研究教育センター
Seminar1
未来が直線状に伸びているという描像について
Abstract:
講師紹介
富山 豊 (東京大学)
東京大学大学院人文社会系研究科研究員。博士(文学)。専門はフッサール現象学。分析哲学や数理論理学の知見も用いつつ、志向性の構造、意味理解や対象指示の問題について考えている。共著書として植村玄輝、八重樫徹、吉川孝(編著)、富山豊、森功次(著)『ワードマップ現代現象学:経験から始める哲学入門』(新曜社)がある。
栁川 耕平 (北海道大学)
北海道大学・人間知・脳・AI研究教育センター博士研究員。博士(文学)。立命館大学文学部初任研究員を経て、2021年より現職。専門は哲学的時間論、なかでもフッサール時間論。知覚の時間構造などを手掛かりに、意識の根本的構造としての時間の構造とその成立を研究している。
Seminar2
時間と自己の基礎構造:圏論的アプローチ
Abstract:
講師紹介
田口 茂 (北海道大学)
北海道大学大学院文学研究院教授、同大学人間知・脳・AI研究教育センター(CHAIN)センター長。ヴッパータール大学(ドイツ)にて哲学博士号取得後、山形大学准教授などを経て現職。専門は西洋近現代哲学(特に現象学)、日本哲学。近年は数学者、神経科学者、認知科学者、AI・ロボット研究者との学際的共同研究に注力している。著書にDas Problem des ‘Ur-Ich’ bei Edmund Husserl (Phaenomenologica 178, Springer)、『現象学という思考──〈自明なもの〉の知へ』(筑摩選書)、『〈現実〉とは何か──数学・哲学から始まる世界像の転換』(西郷甲矢人氏との共著、筑摩選書)など。
西郷 甲矢人 (長浜バイオ大学)
長浜バイオ大学バイオサイエンス学部教授。専門は、数理物理学(非可換確率論)。京都大学理学研究科(数学・数理解析専攻)博士後期課程修了。博士(理学)。共編著に『圏論の歩き方』『指数関数ものがたり』(ともに日本評論社)、『圏論の道案内』(技術評論社)など。
Seminar3
フィーリングの異常と幻覚・妄想
Abstract:
講師紹介
西尾 慶之(東京都立松沢病院)
精神科医・脳神経内科医。医学博士。東北大学准教授などを経て現職。専門は神経精神医学・神経心理学。これまでの主たる研究テーマは幻覚・妄想の心理・神経基盤。近年は大脳皮質の状態変化・右大脳半球・視床下部と行動の関係に興味を持っている。
Seminar4
サリエンスをアフォーダンスとして捉え直す: 精神病症状の異常サリエンス仮説への示唆
Abstract:
講師紹介
北海道大学 人間知・脳・AI研究教育センター 特任准教授。博士(医学)。東京大学 大学院薬学系研究科、生理学研究所 認知行動発達研究部門を経て、2020年より現職。専門はシステム神経生理学。ヒトおよび動物を対象とした視覚的注意や眼球運動の研究を基礎においたうえで、意識の解明をめざして、盲視、半側空間無視、統合失調症を対象に研究している。