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2022 CHAIN Summer School
2022年度 CHAINサマースクール:「心の進化」
CHAINでは「意識・自己・社会性・合理性」といったテーマに対して哲学・神経科学・AI研究の融合した学際的教育プログラムを北大の大学院生に向けて提供しています。その中で夏と冬に開催されるサマースクール・ウインタースクールでは外部講師をお招きし、受講生に最先端の知見に触れ、学際的議論を行う場を提供しています。
2022年度のサマースクールはテーマを「心の進化」と題して、以下の先生方をお呼びして、講義・議論を行います。(敬称略)
Seminar1
特別講演: かつて哲学と呼ばれた課題の相続人としての表象の進化的研究
Abstract:
講師紹介
戸田山 和久 (名古屋大学 大学院情報学研究科 社会情報学専攻 情報哲学 教授)
1958年、東京都生まれ。1989年、東京大学大学院人文科学研究科単位取得退学。専攻は科学哲学。現在、名古屋大学大学院情報学研究科教授。主な著書に「論理学をつくる」「科学的実在論を養護する」(名古屋大学出版会)、「知識の哲学」(産業図書)、「新版 論文の教室」「科学哲学の冒険」(NHKブックス)、「『科学的思考』のレッスン」(NHK出版新書)、「科学入門」(ちくま新書)、「教養の書」(筑摩書房)、「思考の教室」(NHK出版)など。(「恐怖の哲学」著者紹介より)
Seminar2
講義1: 生物進化の基礎、講義4: 心が生み出した文化の進化
Abstract:
講師紹介
松前 ひろみ (東海大学医学部 基礎医学系 分子生命科学 情報生物医学 助教)
進化を情報科学で解析したいと考え、大学では情報工学を学び、大学院でバイオインフォマティクスを専攻。自然人類学・進化生物学の分野でポスドクを経験後、現職(東海大学医学部 助教)。当初、古代ゲノムを研究するために人類学に入ったが、言語や文化も情報学としてデータ解析できることに気付き、形質としての文化のデータ解析とゲノム解析を組み合わせ人類史を探究する研究に従事した。
現在ではポスドク時代に得た方法論をより一般化し、ゲノム解析と形質の定量解析を組み合わせる研究を主軸にしている。人類の進化を主たる対象にしつつも、深淵な進化の現象を幅広い視点で捉えたいため対象とする生物種は限定していない。
Seminar3
講義2: 系統進化と相同性―進化の軌跡をたどる鍵、講義3: 脳・行動・心の進化
Abstract:
講師紹介
鈴木 大地 (筑波大学 生命環境系 助教)
学部から博士後期課程まで、筑波大学にて、進化発生学的アプローチで脊椎動物の視覚系の進化を研究する。博士号取得後、神経生理学・神経行動学に軸足を移し、スウェーデンのカロリンスカ研究所にて視覚系の神経回路を研究。続いて日本の基礎生理学研究所にて、神経生理学とゲノム編集を組み合わせたアプローチを模索。2021年3月より筑波大学にて、進化生物学・神経科学・分子生物学、さらには科学哲学を組み合わせ、動物の形態や行動、ひいては意識の進化を研究している。