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Hokkaido University
Center for Human Nature,
Artificial Intelligence,
and Neuroscience

CHAIN ACADEMIC SEMINAR #20

感情への気づきを支える脳と身体のシステム

日時 2022年3月4日(金)16:00-17:30
場所 オンライン(要登録)
言語 日本語

今回のCHAINセミナーは、感情の神経科学がご専門の寺澤悠理准教授(慶應義塾大学)をお招きして、感情の神経メカニズム、特に感情の気づきにおける内受容感覚の役割についてご講演いただきます。講演はZoomを用いてオンライン(登録制)で行います(ページ下部のボタンから登録することでリンクが送られてきます定員に達したのでzoomの登録は締め切りました)。ぜひご参加ください。

主催:北海道大学 人間知・脳・AI研究教育センター(CHAIN)

共催:科学研究費補助金・基盤研究(C)「習慣を中核にすえた新たな心の哲学と心の科学の展開」(代表者・宮原克典 人間知・脳・AI研究教育センター特任講師)

Seminar1

Lecturer

寺澤悠理
Yuri Terasawa

感情への気づきを支える脳と身体のシステム

Abstract:

あなたはいまどのような感情状態か?、と問われれば、私たちは自分の状態や置かれている状況をもとに、落ち着いている、不安だというように答えることができる。あるいは、幸せだった、怖かったといった言葉を使って、他者と自分の気持ちを共有しようする。このようなコミュニケーションを通じて、我々は自分の、そして他者の感情に気づき、それを伝達できていると信じている。しかし、感情への気づきには大きな個人差があり、様々な精神疾患や心身症の病態と深く関連していることが分かってきた。
 本講演では、身体の状態とその解釈を結ぶ存在としての内受容感覚に注目する。講演者らが行った内受容感覚の処理に関わる脳活動の研究や、この感覚を感じるための介入研究をもとに、内受容感覚と感情認識の関係性を検討する。また、記憶や注意など、いわゆる“感情”とはことなると考えられている心的機能と内受容感覚の関連を調べた研究をご紹介する。これらの話題を通じて、感情への気づきを支える脳と身体のシステムの成り立ちと人間の心における役割を考えたい。

講師紹介

慶應義塾大学 文学部 心理学専攻 准教授。感情神経科学研究室(https://affectneuro-lab.labby.jp)主宰。認知神経科学、神経心理学の手法を用いて、感情のメカニズムに関する研究を行っている。

主な研究業績
Terasawa, Y., Oba, K., Motomura, Y., Katsunuma, R., Murakami, H., & Moriguchi, Y. (2021). Paradoxical somatic information processing for interoception and anxiety in alexithymia. European Journal of Neuroscience, 54(11), 8052-8068.
Terasawa, Y., Motomura, K., Natsume, A., Iijima, K., Chalise, L., Sugiura, J., ... & Umeda, S. (2021). Effects of insular resection on interactions between cardiac interoception and emotion recognition. Cortex, 137, 271-281.
Terasawa, Y., Fukushima, H., & Umeda, S. (2013). How does interoceptive awareness interact with the subjective experience of emotion? An fMRI study. Human brain mapping, 34(3), 598-612.