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Hokkaido University
Center for Human Nature,
Artificial Intelligence,
and Neuroscience

CHAIN ACADEMIC SEMINAR #18

統合失調症、サリエンス、アフォーダンス (Schizophrenia, Salience, and Affordance)

日時 11月24日(水)16:45〜18:15
場所 Zoomオンラインセミナー(要登録)
言語 日本語
発表者 宮園健吾(Kengo Miyazono)
所属 北海道大学大学院文学研究院 准教授/CHAINコアメンバー

タイトル

統合失調症、サリエンス、アフォーダンス

 

要旨

統合失調症に関する異常サリエンス仮説(Kapur 2003)をアフォーダンス的観点から、より厳密には、心的アフォーダンス理論(McClelland 2020)の観点から再解釈することを試みる。一般に、サリエンスの高い対象Xは知覚主体の注意を引くのであるが、この「対象Xが注意を引く」という事態は「Xが注意という(心的)行為をアフォードする」事態として理解できる。この理解を統合失調症に応用することで、異常サリエンス仮説をアフォーダンスの観点から再解釈できる。すなわち、統合失調症においては、知覚主体の注意が対象の注意アフォーダンスによって非常に強く制約を受けており、その制約によって(初期)統合失調症に特有の異常な体験が生じるという仮説である。本講演ではこの仮説の妥当性を哲学的な観点および経験的な観点から検討する。