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CHAIN ACADEMIC SEMINAR #13
鳥類の学習の比較心理学からマーモセットの知覚的意識へ
タイトル
「鳥類の学習の比較心理学からマーモセットの知覚的意識へ」
要旨
鳥類は、道具使用や巣作りといった巧みな運動を示す。例えばニューカレドニア島のカレドニアガラスは、フック状の道具を自ら製作し、木の内に潜む昆虫を釣り上げる行動を見せる。鳥類の運動を実行する手に相当する効果器は、クチバシである。このように、我々人間とは全く異なる身体デザインを有しながらも、鳥類は一見「知的」な行動を行うが、それらはいかにして実現されているのか?演者はこの問いに対し、運動学習の柔軟性という観点から答えるべく、これまでカラスとハトを用いた比較心理学的な研究を遂行してきた。本公演では初めに、演者が従事してきた運動学習の研究を概観する。その後、演者の最近の研究として、運動学習よりもさらに一般的な知覚・学習の研究を紹介する。以上の研究を俯瞰的に位置付けると、近年発展の著しい計算論的神経科学における予測処理の発想に至る。そこで最後に、演者が北海道大学人間知×脳×AI研究教育センターにて計画している今後の展望を提示し、議論を深めていきたい。