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Hokkaido University
Center for Human Nature,
Artificial Intelligence,
and Neuroscience

CHAIN ACADEMIC SEMINAR #12

進化生物学的アプローチにより “意識のグラウンドプラン” に迫る

日 時 2020年11月30日(月) 15:00-16:30
場 所 Zoomオンラインセミナー(要登録)
言 語 日本語
発表者 鈴木 大地
所属 自然科学研究機構 生命創成探究センター 神経ネットワーク創発研究グループ

タイトル
「進化生物学的アプローチにより “意識のグラウンドプラン” に迫る」

要旨 
Nothing in biology makes sense except in the light of evolution.
—Theodosius Dobzhansky

人間は、40億年に及ぶ生物進化の産物として地球上に現れた。それゆえ、人間理解には進化の観点が必須である。たとえばヒトの体制(身体構造)は進化の過程で大幅な改変を受けており、その基本設計、すなわち “グラウンドプラン” を明らかにするには進化形態学の知見が要る。人間の知性や意識もまた進化の過程で獲得されたはずであり、そうだとすれば、進化の観点がなければ十分に理解できない。そして、複雑で高度な人間の意識よりも、“意識のグラウンドプラン” ≒ “ミニマルな意識” に注目したほうが、意識の “本質” に迫りやすいかもしれない。本講演では、ここ数年でにわかに勃興した「意識の進化生物学的アプローチ」を紹介し、意識研究における意義や位置づけ、予測符号化理論を介した計算論的・構成論的アプローチとの接続の可能性について、また脊椎動物の “意識のグラウンドプラン” とその “実装” について、概念的問題と経験的知見の両面から論じる。