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Hokkaido University
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2022.8.2 Release

株式会社アラヤの藤澤逸平氏および笹井俊太朗氏とニューロテック進路相談会を開催しました

株式会社アラヤの藤澤逸平氏が、2022年7月1日付けでCHAINの客員研究員に就任しました(NEWS)。
こちらをふまえた産学連携イベントとして、株式会社アラヤの藤澤逸平氏および笹井俊太朗氏とニューロテック進路相談会を7/12に開催しました。

[経緯説明] 発端はCHAIN教員である吉田正俊特任准教授が北大の学部3年生の久保田健太さんより進路相談を受けたことです。
ニューロテックの業界に興味があるということでしたので、ちょうど株式会社アラヤの藤澤逸平さんがCHAINの客員研究員に就任したところだったので、吉田から藤澤さんからお話を伺うことをお願いしました。
そこで研究開発部チームリーダーである藤澤逸平氏に引き受けていただいただけでなく、取締役CRO兼研究開発部部長である笹井俊太朗氏にもご参加いただけることになりました。
進路相談会はzoomを用いて1時間開催され、たいへん有意義なものとなりました。(文責: 吉田正俊)


[ニューロテック進路相談会参加レポート] 久保田 健太(工学部3年生)

2022年7月12日、CHAINの吉田先生主催の下、日本のneurotechのリーディングカンパニーであるARAYAの笹井さん、藤澤さんにお越しいただき、筆者とCHAIN履修生2名の進路相談会を行っていただきました。業界のフロントラインに立たれている方々に直接相談できる非常に貴重な機会を頂けたことに、この場をお借りして感謝申し上げます。
以下に、相談会でご相談させていただいた内容と、それを踏まえてご教授頂いたお話について報告いたします。筆者と同じように、neurotechに関心があるがどのような進路を選んでいくべきなのか、neurotechに関わっていくためにはどのようなことを学べばよいのかというような悩みを抱えている方の一助になれば幸いです。

<neurotechをどのように学ぶのか?>
まず一つ目は、neurotechをどのようにして学んでいけばいいのかということについてです。neurotechは神経科学をはじめ、とても多くの分野が融合されて成り立っている領域であり、各領域について学ぶことはできても、それを体系的に学ぶとなると、そのようなシステムは現状、日本にあまりないと思われます。(参考:https://note.com/hirotaiyohamada/n/ndf8a2e466ae5
また、吉田先生や笹井さんも独学で神経科学を学ばれていたとのことで、neurotechのすべての分野を網羅しようと考えるよりも、自らの専門をどのようにしてneurotechに結び付けられるのかというように考えた方が、敷居が低くなるように感じました。
その反面、自分の専門外の部分についても広く浅く、ある程度理解していることが必要となるため、CHAINでの包括的な教育が受けられるということは、学外から見ると非常に恵まれた環境であることが分かりました。

<どのような人材が求められているのか?>
2つ目はneurotechという業界において、どのような人材が求められているのかということについてです。neurotechの根幹にあるのはやはり、基礎研究であり、神経科学者として研究できる人材だけが必要とされているのではないかと当初、私は考えていました。
しかしながら、私のような工学の人間もneurotechに必須な生体信号を処理するなどといった部分で貢献することができ、脳科学や神経科学の専門家でなくともneurotechに関わることができる、いろいろな学問が共同で取り組むのがこの分野の特徴であるというように感じました。これを受け、自分の興味とは少し離れているように思っていた、私が学んでいる機械工学が近く感じられ、大きなモチベーションを得ることができました。

neurotechはこの先益々発展し、私たちの生活をより豊かに、より過ごしやすく変えていくことと思います。私は自らに育まれた工学的な視点、「それは社会にどのように役立てることができるのか」ということを大切にして、この分野に今後深くかかわっていくことができればいいなと感じています。
今回はこのような貴重な機会を頂き、本当にありがとうございました。