Events

イベント

Hokkaido University
Center for Human Nature,
Artificial Intelligence,
and Neuroscience

Online

CHAIN セミナー 「センター教員就任記念シリーズ」第3回

日時 2020年8月17日(月)14:45-16:15

吉田正俊(CHAIN 特任准教授)
「視覚サリエンスへの心理学、神経科学、情報科学的アプローチ」

要旨 CHAINでは人文知、神経科学、AIを融合した学際的研究を標榜している。本ウェビナーでは、演者がこれまでの研究で関わってきた「視覚サリエンス」という概念を題材にとって、視覚サリエンスが心理学、神経科学、情報科学といったさまざまなアプローチから理解が進められていることを概説したい。視覚サリエンスとは「視覚的に目立つこと」、より正確には「視野内の物体が周りと比べて突出して我々の注意を誘引する心理的、知覚特性」のことを指す。視覚サリエンスの研究と応用は、心理学的、神経生物学的知見に基づいて、視覚サリエンスの脳内マップ(サリエンシー・マップ)があると提唱されたところから始まった。近年では、画像と視線データの対応付けというデータ駆動的アプローチによって有用性が飛躍的に向上している。しかし視覚サリエンスとはなにかというところに立ち戻れば、予想から外れたもの、とする情報理論的な定式化が有望だろう。最後にこれらのアプローチがどのように統合されていくか展望する。